ローザンヌ国際バレエコンクール2019をティアラ作家目線で鑑賞

バレエティアラノウハウ

すっかり世間の波に乗り遅れてしまいました。
ローザンヌ国際バレエコンクールの決戦の様子、先日、TV放映されましたね。
ご覧になったバレエママさんも多いと思います。

皆さんは、バレエコンクールの放映をどんな目線でご覧になりますでしょうか?
私はバレエが大好きなので、ダンサーのバレエを楽しみますが、
一方で、ティアラ作家として、衣装やティアラをじっくり拝見します。

更に、母親としての目線でも見てしまいます。

私はダンス専門家ではないので、ダンサーのテクニックや踊りの素晴らしさのことを書くことは出来ませんが、
私なりのコンクールの眺め方を書いてみようと思います。

皆さんがバレエ観るうえで、視点がひとつ増えれば幸いです!

「好き」かどうかで芸術を感じる

私は、芸術を感じる上で一番大切にしたい感情は「好きか」どうか。
言い換えると、自分の感覚に合うかどうか、だと思います。

人気ダンサーってのは、「この踊りが好きだ!」と思う人がたまたま多くて人気となり、
人気が人気を呼び大人気となる訳で
その元を正せば、「好きか」という、なんとも主観的な曖昧な感覚に行きつくのです。

実は私、とある人気ダンサーで、皆さんが素晴らしいと絶賛するダンサー、
「そんなに好きじゃないな」という人がいます。

好きなダンサーの踊りって、目から入ってきた情報がダイレクトに心に届くじゃないですか?
キュウーーっとなったり、ガツンとなったり。
そのダンサーからは、そういうものが感じられないのです。

それは自分自身の「好き」が磨かれた証拠だと思います。
小さな頃から、バレエの舞台はわりと見てきましたから、その中で育まれたんだと思います。

ティアラも同じ。

ティアラ作家として年数はまだまだ浅いので、私は、もっともっと「好き」の感覚を磨く必要があります。
なので、私がコンクールをテレビで鑑賞する際には、踊りそのもの以外に、
衣装やティアラが好きかどうか、それを瞬時に判断する練習をするんです。

コンクールを、自分の感覚磨きの練習台にしている(笑)

なぜか?という疑問は、好き嫌いの10倍大切

「好き」か「好きじゃないか」という問いに対しては、自分の感覚で答えが出ます。
でも、それが「なぜか?」を考え出すと、結構難しかったりします。

繰り返しているうちに、その理由に共通点が見えてくるんです。

私の場合
・あまり光りすぎている衣装やティアラは好きじゃないみたい
・ティアラや衣装に目が行ってしまって踊りに集中できないデザインは好きじゃないみたい
・踊りとの一体感を感じられるものが好きみたい(要は、役柄にもダンサーにもダンサーのレベルにも似合っている)

というものでした。

言い換えれば、私は、上品な輝き、こってりしていないすっとしたデザイン、
そしてダンサー自身に似合っているものが好きなんですね。
フィット感、馴染む感じ。

こんな風に、「なぜ?」を繰り返すことで、自分の好きがより一層理解できます。

※私が、見られて美しいティアラ、真に似合うティアラを提案しているのは、そういった理由からです。

ティアラ作家に必要なのはデザイン力じゃない。どれだけ観て、どれだけ感じたか。

もちろん、ティアラ作家として、プロとしてオーダーをお受けするのですから、
自分の好みどおりのティアラだけ作っていればいいという訳ではありません。

ですが、提案する身として、自分が素敵だと感じる感覚、その理由をきちんと知っておくことは
プロとして大切だと考えています。

そして、それは、観て、感じることでしか養えない感覚です。

私は、暇さえあれば、衣装やティアラを眺めて過ごしています。
デザインを勉強していることもありますが、自分の「好き」とその「感覚」を磨いて過ごしています。

プロになってからも勉強は大切。
そう感じながら、今年のローザンヌコンクールを見終えたのでした。

ローザンヌは、世界中の憧れのコンクールだから、衣装もティアラも力を入れているはず。異なる種類の個性が集まってるので、とっても勉強になるんですね。

娘もたくさん舞台に連れて行ってあげなくちゃ!