こんにちは。
バレエティアラ作家を目指して勉強中のさちです。
今日は、吉田都さんの著書「バレリーナ 踊り続ける理由」を読んで、感銘を受けた箇所を紹介しようと思います。
ティアラ作家目線で覗き見た、都さんの人生。
あなたもきっと、共感できることがたくさんあると思いますよ!
古典バレエにははずせない「枠」の概念
古典バレエには、決まった型が存在しますが、都さんは、それを「枠」と表現します。
枠があるからこそ、その中で、ダンサーの表現が生きてくるとのこと。
素晴らしい考え方だと思いました。
枠にとらされた生き方を嫌い、枠をとっぱらって自由になる生き方を求める人々はたくさんいますが、
枠があるからこそおもしろい、その中で個性を出せるという考え方は、
極めた世界を持っている人でないと、そうそう出来ない考え方だと思いました。
私たちティアラ作家も、古典作品のティアラを制作する以上、
あまりに自由な発想でデザインしていては、バレエの芸術性を無視することになってしまいます。
決められた枠の中で、個性を発揮できる作家を目指したいものです。
バレエから離れている時間、バレエ以外の時間が、芸術性を育む
よく言われていることですが、バレエは、人間の内面が如実に表れる芸術です。
ただ技術だけ磨いたダンサーからは、「上手だな」以上の感動はありません。
ダンサーのひたむきさや、人生観が、観客の心を打つのだと思います。
そういった意味で、たくさんの美しいものに触れ、感覚を磨くことは大切です。
ものごとを多角的な側面から捉えることで、感性が養われ、さらなる芸術性を育むのでしょうね。
バレエの”振り移し”の弊害
バリエーションなどの振り付けを行う際、よく日本では、動画を見て振りを覚える、
いわゆる「振り移し」が一般的に行われています。
しかし、都さんは、このことに警鐘を鳴らしています。
単なる丸暗記と、コミュニケーションを通して伝えられる内容とでは、
心に入ってくる情報の質が全然異なるとのこと。
教育を受ける際にも、「教科書を読む」だけでは頭に入らないことも、「授業」で教師とコミュニケーションすることで
すっと内容が頭に入ることがありますよね。
そこに「人」がいて、人から人へ、様々な表現や工夫でもって、
本質を教えてもらうことは、とても重要なんだと感じました。
都さんクラスのダンサーでも頭飾りひとつで踊りが変わる
これはティアラ作家にとって、とても重要な事実です。
都さんほどの完璧なバレエを踊られるダンサーであっても、自分に似合わない頭飾りでは、踊りに集中できないという
エピソードが紹介されていました。
意を決してデザイン変更を申し出たところ受け入れられて、
踊りが一歩前進したのだそうです。
ダンサーにティアラを提供する際には、おおいに心がけたいことです。
エレガントな都さんの魅力
歳を重ねて、更にエレガントさが磨かれている都さん。
著書を読んでみて、都さんの生きざまにもっと触れたいという思いが強くなりました。
また何かの折に、他の著書やインタヴューなど、読んでみようと思います。